真夜中の散歩

 
 
 今日は夜中の2時から3時まで、近くの公園でウィーキングした。
 
 元刑務所の公園内に一周450m位の広場があって、夜はたくさんの人がジョギングしている。
 
 中には、わけのわからない高校生だか大学生だかが、3,4人でうるさくたむろしていたりする。
 
 でも夜中2時過ぎると、さすがに誰もいなかった。
 
 360°の視界に、初めはシリウスが雲間からキラキラ輝いていた。
 
 だんだんと白い雲が波しぶきのように天を覆い、その間から月光がにじんでいた。
 
 そのうちにみるみる雲が綿菓子のように固まりながら空を覆い、星も月も見えなくなった。
 
 いつもは誰かがいるとうるさいので、耳にイヤホンをしてバッハのパイプオルガンを聞きながら歩くのだが、
 
 今日は誰もいなかったので、何も耳に付けずに、自分の息遣いだけを聞きながら歩いた。
 
 途中で我慢できなくなり、少し走った。
 
 広場の真ん中で空を見上げると、天空に吸い込まれそうな錯覚を覚える。
 
 でも、思った。
 
「逆に、天から堕ちてきたのだ」と。
 
 
 
 もうすぐ夜が明け始める。