日食 & THE END

 
  
 日食は東京では午前11時12分58秒に最大の75%、太陽が月の裏側に隠れた。
 
 そのとき、確かにすこし薄暗くなったのを感じた。
 
 昨日から身体がだるく、気分が最低に落ち込んでいた。
 
 自分はインディアンの生まれ変わり。
 
 その頃はもっと身体が大きかったし、呪術も使えた。
 
 今はその頃とは環境も習慣も違うから、
 
 呪術だって使えなくなってしまった。
 
 さしあたり、この生で日食を体験しても、分かったことといえば、
 
 死のヴァリエーションについてだ。
 
 この環境では、ネガティブなことしか思いつかない。
 
 つまり都会はうす汚れていて、宇宙的神秘も踏みにじられている。
 
 太陽が月に隠れても、
 
 それを超高感度カメラで撮影するだけだ。
 
 宇宙的天体の運動の神秘を、超能力で共感することもなくなってしまった。
 
 自分は、太陽に比べれば、ほこりの一粒にも等しいくらいの存在だ。
 
 そんなことすら忘れていて、自我が肥大化していた。
 
 だから、
 
 瞑想した。
 
 耳と目が、雑音と醜悪によってずいぶんと感度が鈍っていた。
 
 つまり、耳が聴き、目が見たいもの
 
 それを無音の中で、闇の中で
 
 自然に湧き上がるのをじっと待った。
 
 そうしたら、
 
 聞こえて来たもの、見えてきたもの、
 
 それは結局、ビートルズだった。
 
 ビートルズのTHE END
 
 あの音と、彼らのファッション
 
 youtubeで見つけた。
 

 
 
 http://www.youtube.com/watch?v=6qFbxj_a1zc&feature=related