詩を求める

 
 
なんだか寒くて眠れないから、これでも書こうと思った。 
でも、別に書くことも思いつかない。
ただ、人は詩に飢えているのではないかと思った。
 
言葉の配列の意外性
 
そこに喚起される閃き
 
直感のように突然湧き上がる記憶の甦り
 
崇高な感情の高まり
 
それらを人は好む
 
つまりそれらを体験できる言葉の配列、つまり
 
詩を求めているのだ
 
 
世の中に詩人という人がいるとしたら
誰にそう呼ばれるわけでもなく
ただ、詩人という言葉があるから
たぶん詩人という人もいるのだろう
だから、真に詩人という人がいるとしたら
職業詩人ではなくて、
言葉を生業とするのではなくて
生きることそのものが詩であるような人がいるとしたら
 
 
今日、ふっと思ったことがあった
人間の姿かたちはだいたいが同じだ
でも、美しい醜いがある
見れば一目瞭然だ
でも、見ても分からない人もいるのだろう
それと同じように
いや、それ以上に
精神は千差万別だ
人の顔の違い以上に、違っている
醜さ美しさの違いの幅も
天と地以上の開きがある
たとえば、Yさんの精神
あんなに崇高な人がこの世に存在し得たなんて奇跡だ
いや、崇高というより、神のような人と言った方がいいだろう
でも、外見はそんなに神のようには見えない
でも、その存在自体から発せられる雰囲気は
普通の人とぜんぜん違っていた
もちろん、それにまったく気付かない人もいるだろう
いや、そういう人の方が多いだろう
でも僕にはわかった
あのような崇高なたたずまいの人には
もう二度とお目にかかれないだろうと
今日、ふと、そう思った