「ジョンの魂」との対話

 
 
「ジョンの魂」との対話
リンダ・キーン著
 
先日の日記で酷評したから、なんだか悪い気がしてきたので、最後の方は(アンドロメダ星人なども出てきて)なかなか面白かったですよ。と言っておきましょう。
 
僕の独断的な感想ですが、著者はきっとジョンの曲を聴きながら執筆していたんじゃないのかな。
きっと曲のイメージをそのままファンタジーにして書きあげたフィクションのような気がする。
『「ジョンの魂」との対話』っていうタイトル自体が、ダブル・ミーニングだよね。
本当に、死んだジョンの魂とチャネリングでもして対話したのか、それとも、「ジョンの魂」っていうアルバムあったじゃない、あのアルバムとの対話なのかもしれないないし・・・僕には後者のような気がする。
まあ、タイトルをアルバムのタイトルに掛けたつもりでしょうけど・・・でも、これって邦題なんだよね。
原題は、「JOHN LENNON IN HEAVEN」
「天国はないって想像してごらん」と言ったジョンにしては皮肉な題名だとは思いませんか?
「我々の上には空があるだけ、下には地獄もない、みんな今日のために生きている」と歌った、一見、無神論者のジョンが、この本の中では天国にいて、天使ガブリエルと対話している。ジョンは本当はキリスト教徒だったのでしょうか? 生前の無神論はただの見せかけ? そのへんのところは、ヨーコ・オノに訊いてみたい気もするが、まあ、こうしたファンタジーを、ノンフィクションとして書いたと主張する著者に対しては、世界の誰ひとりとして反証できる証拠を突きつけられる者はいないのだろうけど、(本物のジョンの霊に会って事の真相を聞く以外)まあ、このような本が何十冊か出るのは、しかたのないことなのでしょう。
ネットで見てみると、ジョンの霊を召喚する番組があったりするみたいだし、ジョンは未だにみんなの人気者なのだ。
みんな、未だに、できれば、ジョンのメッセージが聴きたいとだれもが思っている。
 
今の世の中についてどう思う?
ブッシュとオバマについてどう思う?
世界の終わりは本当に来ると思いますか?
世界に拡大している貧富の格差をどう思う?
アメリカン・スタンダードをどう思う?
もし、ジョンが生きていたら、インタヴュワーはそんなことをジョンに質問しただろう。
 
でも、もう誰も世界を良い方向に導いてくれるヒーローは存在しない。
初めから存在しないのだ。
みんな、自分自身の胸に訊いてみる他ない。
いったい自分は何をすればいいのか?
世界の平和のために、何を良しとして行動すればいいのか?
どんなスターも教えてくれやしないのだ。
 
そして、いったい平和ってなんなの? って自虐的に訊きたくもなってくる。
ここまで憎しみと不平等が蔓延した世界にあって、
いまさらどんな平和を人類は自らに期待しているだろう?
本当に平和で平等な世界が理想なら、それこそ、貨幣制度を廃止して、武器を全廃すればいい。
そんな単純なこともできないのだから、やっぱり人間は、闘争と競争と支配を欲している動物なのだ。
そんななかで、ヒーロになる猿は、もしかしたら、耳に心地よい”理想”を語る”詩人”かもしれないが、
そのような吟遊詩猿は、猿山のボス猿に殺されるのが落ちなのだ。
 
日本の政治だって、だんだんと、そのような猿山の猿さながらの権力志向になってきている。
政治家の顔もだんだん猿山の猿に似てきているし、A猿グループのボスもB猿グループのボスも、権力を手にしたら司法だって行政だって支配しようとして尻を赤くしている猿にしか見えない。
 
本当は、もっと高尚な政治ができるはずなのにね。
人間に智慧があったらの話だけど・・・。
 
まあ、霊界で、賢者たちはこの地球をちゃんと見守ってくれているのだろうから、そして、天界では天使だってガブリエル、ミカエル、ラファエル、ウリエルと四人もいて、それらがちゃんと地上を見守ってくれていて、いずれ天の裁きが下るのだろから、安心なのだけれど・・・