サイキック?

 
 
 
 ぼくはサイキック。
 
 ほんとうだよ。
 
 十代の頃
 
 オーラ測定装置実験会に出席したときのことだ。
 
 霊能者のHK女史も来ていて、ぼくのオーラを視てくれた。
 
 ぼくはワンダラーだと言われた。
 
 (ちなみに、物理学者が開発したオーラ測定器でも、強力なオーラが検出された。)
 
 その後、彼女から直々に一緒に仲間になりましょうと言われ、
 
 その後、偶然彼女と再会したとき、若いサイキック仲間を紹介された。
  
 彼ら彼女らは当時十代か二十代前半の若者三、四人だったが、
 
 確かに皆、目がサイッキックのものだった。
 
 彼女、彼らと目と目が合った時、すぐに普通じゃないのがお互いに判った。
 
 女の子は魅力的だったし、男の子もカッコよかった。
 
 でも、ぼくは彼ら彼女らの仲間にはならなかった。
  
 
 あれから、霊能者のHK女史とは会うことはなかった。
 
 彼ら彼女らはどうなったのか、
 
 あのグループはどんな活動をしていたのか、ときどき思い出すのだが、
 
 ぼくは、特殊な能力はない普通の人間だから、
 
 透視も霊聴も超能力もないから・・・
 
 でもサイキックなのだ。
 
 だから、なんの役割があるのか、
 
 彼女に訊いてみたい気もしたのだが、
 
 確かに、何気に、いろいろな霊能者にも会ったし、
 
 いろいろな人からいろいろなことを言われたのも確かだ。
 
 
 サンジェルマンのチャネラーはあのあとどうなったのだろう?
 
 
 有名な魔法使いはあのあとどうなったのだろう?
 
 
 七次元まで旅した救世主はあのあとどうなったのだろう?
 
 
 鶴に乗った仙人はあのあとなにをされているのだろう?