未来は予約できないから…
先週はあっという間に終わった感じがする。
今週もそんな風に早く終わればいいのに。
骨董通りにblueというクラブがある。
昔、そこで僕の絵を展示したことがある。
あの辺りをなぜか思い出す。
思い出す。
思い出す。
思い出す。
ペンフィールド博士が患者の脳を電極で刺激するのを
そうしたら
忘れていた歌を思い出したことを思い出す
忘れていた歌を聞くと
忘れていた思い出を思い出す
身体は年齢をとるが
想い出は歳をとらない
たぶん8:2
過去と未来の比
そして現在は
たぶん限りなく0に近い
歯医者の助手の女
思い出した
白い白衣を着て
茶色い日に焼けた肌をして
ぼくの肘掛け椅子に
身体をすり寄せて
開けた口から唾液を吸っていた
小柄で整った顔の歯科医の助手
まだ中学だった
神経を抜いたまま
次の予約をすっぽかした
そのまま何年も行かなかった
顎に穴があくほど痛くなるまで
もし僕が今誘ったら
彼女は来るだろうか?
それとも
ちゃんと予約の日には来なさいと言うだけだろうか?