本当の革命はいつ始まるのか?

6月の文芸春秋を読んでビックリした。
 
なんと、米国内の上位に位置するヘッジファンドマネージャーの平均年収は約6憶5千万ドル(約750憶円)だって!
(「ルポ世界同時貧困」「米国 医者さえ転落する」 堤未果 著)
 
タイトルにもあるように、米国の医者さえも医療過誤保険の掛け金の増大で生活保護に転落するほど、貧富の差が拡大しているという。『新自由主義』を受け入れた国々では左様に、金融会社だの保険会社だのファンド会社だのの”デジタル的数字操作ビジネス”だけが大儲けする非生産的、非人間的社会に変貌し始めている。
 
昨今、日本では田原総一朗が騒いでいるように、『霞が関改革』だの革命だのと騒がしいが、いったい誰を敵にしているんだ!?
 
新自由主義=金融資本/市場競争至上主義を取り入れた国(中国も含む)は貧富の拡大と貧困層の死活問題という悲劇がもう取り返しのつかない所まできている。
 
サッチャーレーガンに倣えとばかりに日本も構造改革だの金融のビッグバンだのIT化だのを推し進めてきたが、その結果、福祉や教育は切り捨てられ、セーフティーネットも全く整備されないまま、「弱者の悲鳴は強者へのねたみ」だという超人思想がまかり通る”弱肉食い殺し競争社会”になってしまった。
つまり、弱い者を食い殺して強いものだけが生き残る「弱肉強食」の「ダーウィン的進化思想」だ。
 
政治家は本来、立法府として法律を作り、それを行政が運用する、そして、立法、行政を監視するのが司法の役割だ。いったいこの国家を主権者の国民が統治するはずの三権分立の仕組みはどうなってしまったのか?
 
官僚は、政治家の作った法案を順守して行政を行っているはずだ。後期高齢者医療制度を作った政治家が法案を国民に説明もしなければ、国会で十分に話合いもせずに法案を成立させたのがそもそもの悪の根源なのではないか。それなのに、制度が施行され始めると、その法案を国会で成立させたはずの自民党の政治家が、「後期高齢者は死ねというのか/堀内光雄」などと言って平気でいるだけでなく、そんな発言にマスコミも拍手を送っている。今頃そんなことを言うのなら、もう数年も前に、国会でこの制度を話し合う際にそうタンカを切って国民の前で堂々と発言すればよかったのではないか。
つまり、ポピュリズムポピュリズムと騒いでいる田原総一朗も実はポピュリズムそのもので、新自由主義経済を擁護し、官僚に立法府(政治家)の無能と失敗の責任を転嫁しようとしているただの”ガス抜き”のポピュリズム評論家なのではないか。
 
つまりは、今日の最大の問題は、この金融資本市場主義の世界的席巻にあるはずだが、未だに「国際社会」のスタンダードに乗り遅れたら企業が買収されると騒いで、逆に体よく国民の財産をヘッジファンドの食い物として提供している、まして、それらを規制する法律など誰も作ろうとしない政治家たちこそ、まさに売国奴であり、その片棒を担ぐ自称自由主義者のマスコミも、大本営発表の嘘の戦勝記事ばかり書いていた戦時中となにも変わらないアホウどもの寄り集まりでしかない。
 
だから、もし、本当の革命が必要なら、われわれは、ネットだけのコミュニケーションではなく、実際に寄り集まって話し合うことも必要なのではないか?
いったい、誰が集まるのか、それさえもわからないのだが・・・。