バセドウについて

バセドウになってかれこれ2年近くなる。のかな。
最近、脳の血管もだいぶ切れてきたみたい、で、いつ何をしたのかよく覚えていない。
その上、バセドウ
甲状腺ホルモンの異常分泌で、心拍数は上がるし、熟睡もできない。
だいたい3時間くらい浅い眠りをすると目が覚めてしまう。
それも目覚めはすこぶる悪い。
バセドウには、メルカゾールという薬を常用するが、蕁麻疹ができてきて、最近薬をチウラジールに換えた。
バセドウの薬は他にプロパジールがある。
バセドウの薬は、甲状腺ホルモンの分泌を促すホルモン(脳下垂体から分泌するらしい)を抑制させる薬らしい。
だから、甲状腺ホルモンの分泌が抑制されるのと同時に、脳下垂体からのホルモンの分泌も抑制されているのだろう。
甲状腺ホルモンは新陳代謝をよくしたり、心拍数を上げたりする働きがあるらしい。
僕は以前は、新陳代謝がすこぶる良かった。
ちょっとしたけがをしても、すぐに治った。
トカゲのようにすぐに傷が消えてしまった。
それによく汗もかいていた。
甲状腺ホルモンも分泌が盛んだったのだろう。
ところが、バセドウになって、それが異常なまでに分泌されると、寝込んでしまった。
心拍数が100mを走った後のように上がり、それが四六時中続いた。
だから、薬でそれを抑えるしかなかった。
今では、傷も治りにくくなったし、汗もかかなくなった。
というより、気持ちのいい汗がかけなくなってしまった。
なんか、ベトベトした気持の悪い汗。
それに寝付きも悪いし、熟睡もできないし、目覚めも悪い。
それに、
夢も見なくなった。
以前は、アストラルトリップまがいの夢を頻繁に見ていたのに。
ところが、バセドウの医者によると、だいぶ状態はよくなっているらしい。
血液検査の結果を見てのことだ。
でも、僕には数字には出ない、もろもろのホルモンの影響があるような気がする。
そもそもホルモンが分泌される腺は、ヨーガでいうところのチャクラだ。
甲状腺は、ヴィシュダ・チャクラ。
霊聴に関係すると聞いたことがある。
そのせいか、最近、耳鳴りが四六時中している。
キーーンというかん高いパルス音。
気にすると気が狂いそうだが、気にしないようにしている。
それから、蕁麻疹ができて死ぬほどかゆかった。
バセドウの専門医によると、バセドウのせいでも、薬のせいでもないという。
でも、メルカゾールはやめて、チウラジールに変えてもらった。
それでも蕁麻疹はぜんぜんよくならなかった。
(最近、10ヵ月ぶり?にやっと治ってきた。)
皮膚科に行くと、太藤病という珍しい病気だという。
血液の好酸球が増えると発症するらしい。
そう。血液なのだ。
ホルモンの影響で、血液がなにか変化している。
それは自分で感じるのだが、バセドウの医者は血液検査の結果を見て、異常ないという。
しかし、自分の体調はすこぶる悪いし、それに
感情も不安定だ。
すぐカッとなるのだ。
昔から短気だったが、最近はまるで瞬間湯沸かし器だ。
それを理性で抑えるのがたいへんだ。
これは、身体から来ている。
精神的なものではない。
ホルモンのせいなのだ。
それはわかっている。
だから、理性で抑えようとする。
心拍数は上がり、バクバク鼓動してくる。
喉は渇き、声がかすれて出なくなる。
思いっきり殴ったり蹴ったりしたくなる。
でも、これはホルモンのせいだと思って自制する。
そうなると、もう、何が正統な怒りで、何が異常な怒りなのか自分でも区別がつかなくなってくる。
以前はそんなことでは悩まなかった。
若い時は、したいことをやり、行きたい所に行った。
したいことをして、怒りたいとき怒り、笑いたいとき笑った。
それが最近、そんな自分の感情すら、自分で信用できなくなってきた。
それは悲劇に違いない。
でも、結局、”自分”というものは、
血液中のさまざまなホルモン分子による、神経制御のあやつりの結果なのかもしれない。
つまり、僕は、ホルモン物質の操り人形。
つまり、僕は、生物というDNA螺旋の永遠のつながりの終着における、ホルモン物質の神経反射の総体なのかもしれない。
そしてそこには、統一的”自己”という核は、存在しない。
それは、ただの
ヒューマニズムの生み出した
社会的幻想なのかもしれない。
そう。
ただの、脳内残像イメージの累積によって生じた錯覚のようなもの。
それが、不幸だの幸福だのと自己イメージを固定化して、
時間という抽象をイメージしている。
ネガティブ?
たぶんそう聞こえるだろう。
しかし、ポジもネガもない。
やはり、そこ、つまり色即是空、空即是色に
結局は行きつくのだろうか?
僕にはわからない。