石膏で型どりに挑戦

今年の新年の抱負として上げた彫刻作品の制作のため
石膏で型どりを始めた。
すでに出来上がっている”顔”のボディを作るための試作だ。
油粘土で作ってみた。
大きさは膝までで約50センチ。
大きいので型どりにシリコンは使えない。
高いから。
石膏なら安価だから、初めて大きい作品に使ってみる。
石膏は柔軟性がないから、逆テーパー部分は型がとれない。
いや、一度の使いきりで壊してしまうならとれるにはとれる。
が、何度も使いたいから切り金で逆テーパー部分を区分けして
何個ものパーツに分かれるようにする。
ところがこれがなかなかたいへんだ。
なにせ、初めての方法だから施行錯誤だ。
(小さい作品の石膏の型どりは何度もしたことがある。)
溶いた石膏を出来上がった粘土のボディに何層にも重ねて塗りつける。
それ自体は、けっこう楽しい作業だ。
でも、ちゃんとできているかどうかわからない。
狭い狭い部屋は、おかげで石膏が飛び散り、
散々な目にあっている。
十中八九失敗するだろうが、
制作している(無駄骨を折っている)プロセスそのものが楽しい
そう、
高尚に言うなら、
創造していることが楽しいのだ。
なぜなら
人間は想像する葦だからだ
いや、コンプリヘンドする葦だったか
しかし、コンプリヘンドするにはそれを包み込むためのメディアがいる。
そのメディアこそ、きっとエクトプラズム・・
いや、妄想なのだ。
妄想が
エクトプラズムのように白い石膏で
象られて、
ソリッドなかたちになっていく。
それはまるで
心霊による物質化現象と同じではないか。
そして僕はさながら
霊媒かつ審神
出来上がるのは
(召還されるのは)
あの世のマドンナ
否、
かたどっているのは
火星の女
いつか型から出て
この世に物質化するだろう。
出来上がったら見てください。
それではおやすみ。