ZENからのメール

 高校時代の旧友ZENから、メールが来た。

「いくつもの無料ブログを利用しながらweb(仮想空間)上に一つの仮想人格(?)の世界を構築する、というスタイルは面白いね。
 あっちこっちのブログを使っているのを見て、自分でMovableTypeか何かでゼロから作ったらもっと面白いんじゃないかなあ、なんてはじめは思ったんだけど、今になって考えてみると、ゲリラ的で興味深いスタイルかもねって感想に変わってきた。自分用の道具を開発するというより、森に落ちている竹を道具にしてアメリカに立ち向かう……そんな連想は大袈裟に過ぎるかもしれないけれど、まあ、何かゲリラ的な表現方法で面白いじゃん、と。」

 ありがとう。そんな風に考えてくれるなんて、嬉しいです。
 特に、「森に落ちている竹を道具にしてアメリカに立ち向かう」っていうフレーズは、なかなか、かっこいいね。
 パレスチナの住民の“インティファーダ”は、まさに、「近代兵器である戦車に、石器時代の投石」で戦いを挑んでいるのだから、“グローバル・ヴィレッジ”であるはずのウェブを“世界平和”のために使わない手はない、と思う。

 そんなわけで、今日は、「アメリカに立ち向かった男達」を思い出してみた。
 すぐに思い浮かぶのは、フセインイラク大統領の“湾岸戦争”だ。アメリカを敵に回すのは正気じゃできない。無謀だと誰もが思う。しかし、あれは、アメリカの巧妙に仕掛けた罠にまんまとはまったのだ。一般的に世間では、クウェートに軍事侵攻したフセインを叩くための戦争だったと言われている。しかし、そもそもフセインクウェートに侵攻するようにまんまと罠を仕掛けたのは誰だったか?誰も問わない。イラククウェートは、もう40年以上も前から(私の知っている限り)そんなことをやっている。しかも、OPECの総会で決めた協定価格より安く石油を大量に売って大もうけしていたクウェートに、武力で脅しをかけていたイラクに対し、「アラブの問題には介入しない」とサッチャーとブッシュが宣言した矢先の出来事だった。興味深いのは、フセインもイランイラク戦争時代は、しーあいーえーに援助されていたことだ。
アメリカに立ち向かった男達」と書いたが、アメリカに売られた喧嘩を買ってでた男達は、正確に言うと「しーあいえーに立ち向かった男達」だ。
 パナマのノリエガしかり、カダフィ大佐しかり、フセインしかり。
 カダフィは、しーあいえーに空挺部隊を派遣され、家族を皆殺しにされて以来、ずいぶんと“お利口”になったようだ。
 ところで、おさむ・ビン・ラディンもそうだが、歴代「アメリカにたて突いた男たち」のその後の消息が、何も報道されないのはなぜだろう?誰も不思議に思わないのだろうか?
 僕は、世界戦略というチェスの筋書きを、誰か書いている男達が必ずいると思っている。そして、悪役も元しーあいえーの息のかかった同じ組のヤクザなのではないか? ハリウッド映画の筋書きのように、大衆受けする筋書きは、勧善懲悪のストーリーだ。誰か、とってもIQの高いお利口さんを集めたシンクタンクがあって、世界戦略をマスコミ受けするようなストーリーで練っている輩がいるに違いない。そいつらは、多分、フリーメーソンがらみの秘密結社に属しているのだろう。現在は、というより、アメリカ建国以来、それはイルミナティーと呼ばれている。それこそハリウッド映画の見すぎじゃないかって? そう、オリバー・ストーンの「パームツリー」とか、コッポラの「ゴッドファーザー・パート3」とか、最近では、「陰謀のセオリー」とか、世界的なコンスピラシィーを暴露する映画はいくらでもある。
 だいたい、力と金にモノを言わせて世界を我が物にしようとたくらんでいる輩は、ヤクザよりたちが悪いのではないか? そのための(世界戦略)のための戦争で、巻き添えなって死んでいく女や子供などの弱者は、人間の数に入らないらしい。
 だいたい、先住民のインディアンを虐殺して建国したのがアメリカ国家なのだから、ヤクザ国家もいいとこじゃないのか?
 そんなアメリカにたて突いて、しーあいえーと銃撃戦をしたインディアンがいた。デニス・バンクスだ。僕がカリフォルニアに行ったとき、インディアンの虐殺の実態(インディアン居留地で、無知なインディアンを使って、ウランを採掘させ、よくよくはユダヤ人のジェノサイドのように絶滅させようとした陰謀)を告発して、アメリカ大陸を走って横断する“The longest walk”が行われていた。何故か、そこには日本人も参加していて、日蓮宗日本山妙法寺のお上人さまたちが、黄色い袈裟を着て、デンデン太鼓を打ち鳴らし、アメリカ大陸を徒歩で歩いている姿をよく見かけた。
 僕の迷い込んだ山中のコミューンには、ロンゲスト・ウォークに参加してその山に流れ着いた人たちもいた。少太郎(アナンド・ケン)と日本山のお上人様(名前は知らない)だ。山のボス、ユダヤ人のドクターBOBの弟は、何故か、えぬえすえーの高級官僚だった。
 アメリカは、自由の国だ。しかし、とても恐ろしい国でもある。イギリスも女王陛下の国だ。しかし、とても恐ろしい国でもある。
 そもそも殺されたジョン・レノンの歌の歌詞ではないが、国なんて無いはずじゃないか? それなのに何故、国はこんなにも恐ろしく、ずるがしこく戦略を練り、陰謀を巡らし、人を平気で殺すのか? 僕には理解できない。
 きっと、18世紀の近代思想に、その謎を解くヒントがあるのかもしれない。
 ヨーロッパの近代啓蒙思想。 僕の大好きなジャンジャックが生きていた頃の“ヒューマニズム”。 教会や王侯貴族の権威にたて突いた男達の思想。それらが、今頃になって定着したかに見える。 しかし、同時に、もう、ほころび始めているのも確かなようだ。