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今日は、先日目の手術をした人が退院するのに付き添った。
手術は成功だったようだ。
「あらあなた、そんな顔してたの?」って僕の顔を見て言った。
「そうです。変な顔でしょ?」
まだ上唇が少し腫れあがった顔で言った。
タクシーが自宅のアパートに着くと、急に雨がザーザー降ってきた。
鍵を借り、アパートのドアを開け、中から傘を出して彼女が濡れないようにして玄関まで送った。
「もう帰っちゃうの?」
「そこにある傘持って行って」
「じゃあお借りします」
「いいわよ。返さなくて」
ザーザー雨が降る中、傘を差してもびしょびしょになってしまって
途中で、知らない人の家のガレージの中に入って雨宿り。
黒い雲が上にいて、すぐ近くの空は青く晴れ上がっていた。
もう一人、癌でガラガラに痩せてしまった人がいて、
今日、お見舞いに行ってきた。
気丈な人で、目だけは輝きを失っていなかった。
嫌なものだが、葬儀の話をした。
とっても明瞭簡潔に、意志を伝えてくれた。
とっても死に近い生。
そんな中で自分のことよりも他人に気を使うことができる人、と、できない人。
やさしさ。
想いやり。
一方で、
エゴ
高慢
人間って、同じように見えて全然ちがう。
僕は少しずつ、何かを勉強しているのかもしれない。