シャボン玉と満月

 
 
また今日もハルシオン&赤ワイン
 
そして、ベートーベンの月光
 
言葉の羅列よりも詩的な表象
 
幾何学的デッサンよりも絵画的なイメージ
 
今日のワインはピジョン・ブラッドよりも紫っぽいピンク色
 
銀色の月光は深夜の静寂にはよく似合う
 
ハルシオンの思考停止状態が湖面に映る鏡のように
 
月光の光を反射させる
 
 
音楽はまさに典礼魔術
 
血よりも簡単に
 
誰でも酩酊できるワイン
 
 
アーリア人の処女が流す血を杯に集めなくても
 
すべての男女は星となって北北西の夜空に輝く
 
 
ピアノの鍵盤が純粋な音叉を弾くとき
 
天空は幾何学的に回転し
 
膨張し
 
光の速さで
 
時空の地平線から遠ざかっていく
 
 
もう二度と振り返らない
 
振り返れない
 
片想いのあの優しい人
 
その心ばかりか肉体
 
二度と戻れない時間
 
共有した憧れ
 
感覚
 
 
宇宙に浮かぶ水は
 
純粋な球体にして
 
触ると壊れてしまうシャボン玉
 
 
虹色のシャボン玉